国際アンデルセン賞!魔女の宅急便 角野栄子のおすすめ
今日のテーマは魔女の宅急便の作者、角野栄子です。
私は最近、学校で文学の授業を幾つも取ってるのでプライベートで小説を読む機会が減っています😅学校の授業でガチガチの文学に触れるので頭が疲れて余力が残ってないです…
でも、図書館が好きなので空きコマなどでフラっと寄ると、手持ち無沙汰に手に取るのが児童書や絵本。
私は文豪たちの小説を読む時、自分の読解力を試されてる気がして何かを学ぼう、気付こう、読み取ろう、と意気込みながら読むのでとても疲れます。そして、その割には見逃してるものが多いです(๑*ㅁ* )
でも、絵本や児童書はストレートに伝えたいことを表現してくれるので短いながらも学びを確実に得ることができます。
今日おすすめする本は今週私が読み漁った角野栄子の児童文学、幼児教育の本の中から私たち大人へのメッセージを感じた本をご紹介します。
角野栄子(かどのえいこ) プロフィール
1935年東京都出身。日本人の母と日本人×ロシア人のハーフの父を持つ。紀伊国屋書店に就職後1年ほどで結婚。その後2年ほどブラジルに滞在。この体験を元に作成した「ルイジンニョ少年、 ブラジルを訪ねて」がデビュー作。
2018年3月26日児童文学のノーベル賞と言われる「国際アンデルセン」を受賞する。
1.キキに出会った人びと
ストーリー
魔女の宅急便シリーズの特別編。キキと出会ったコリコの街の人々。オソノさんがパン屋を開くまで…コリコの町長のゲントさんの不思議な体験…謎めいたご婦人ヨモギさんが抱えているもの…キキを見上げた青年…それぞれの人生の物語。そして、キキの面影。
キキに出会った人びと 魔女の宅急便特別編 (福音館創作童話シリーズ) [ 角野栄子 ]
この本の特別なところはシリーズ本編の主人公、キキに出会ったことがコリコの街の人びとにほとんど影響を与えていないことです。勿論、面影を感じる場面はあります。しかし、キキの存在感は大きくありません。角野栄子さんは意図してキキの面影を少なくしたと思います。
誰かの人生では脇役でも各々の人生では主役。
この本を読めば今後物語を読む上で、脇役に対する思いれも方も変わり、本編では描かれない背景を思って想像力の幅が広がります。
もちろん、実生活においても見えてる、知っているものが全てでは無いという教訓になるはずです。
そして1話のみキキが物語の主人公に影響を与えたストーリーがあります。
名もない青年の物語です。ココにもポイントがあると思います。本編ストーリーの主人公キキが色んな人に恵まれながら懸命に生きている姿が物語で名も得ていない青年の人生に影響を与えていました。青年もキキの名を知りません。それでも、その時から青年の物語が動き出すのです。それぞれの物語の繋がり、人生の不思議な繋がりを感じさせます。
2.チキチキチキチキいそいでいそいで
ストーリー
コウ君が物置で見つけた不思議な時計。時計がチキチキチキチキ。コウくんの胸もチキチキチキチキ。それからというもの、何故だかコウくんは大急ぎ。お母さんもお父さんもあの人も…
そして、気づいた時には…
チキチキチキチキいそいでいそいで (あかね創作えほん) [ 角野栄子 ]
公式には小学生低学年の子向けですが、幼稚園程度でも退屈しない長さだと思います。保育園児には長いかな?
チキチキチキチキなど反復する言葉が出てきたり早口で読む場面があったり工夫次第で子供の好奇心をくすぐれる作品です。子供と一緒にチキチキチキチキと言うのも楽しいですね♪
そして、完全に子供向けの本だと侮って読むと、ラストでドキリとさせられます(´・ω・`;)
ネタバレになりますが、1日の作業全てが終わっても時間はまだ充分に余っていて太陽が出ていました。それに気づいた時、残りの時間をみんなで遊ぶんです。
現実の社会人が同じ状況になった時どうするでしょう。急いで急いで何かを終わらせて余った時間に気づいた時、明日からのことを見据えて、先回りして何かを終わらせようとしませんか?私も多分明日でも出来ることをその日してまいます。そして、明日余った時間はその次の日の仕事を…この繰り返しの日々を送るでしょう。
でも、そうではなくて、休みましょう。みんなで遊びましょう。時間は沢山ありますよ。もっと大切なことがありますよ。と、望ましい時間の送り方を提案してくれているように思います。
3.ネッシーのおむこさん
ストーリー
怪獣のザブーは何万年も一人ぼっちで暮らしています。でもザブーにはラジオを聞く不思議な能力があったので寂しくありませんでした。ある時ザブーはラジオでネス湖のネッシーのことを知ります。ザブーはネッシーのお婿さんになりたくて旅に出ることに決めました。
サブーを見つけた人間は大騒ぎ。ザブーは捕まりそうになったり、傷つけられます。
ザブーは無事ネッシーのおむこさんになれるのでしょうか。
ザブーはまるで子供のようにピュアな心を持っています。それはずっと1人でいたからではないでしょうか。途中初めて人間に出会ったザブーは攻撃されて心身共に傷つきます。ザブーは人間に好意的に接したのに、それはある意味裏切りでした。
ザブー=子供と考えた時そのピュアな心を失わせるのは周りの人や環境です。ピュアなまま大人になることは大変難しいです。人間関係や行動範囲が広がるほど難易度は上がります。ザブーは旅に出たことで行動範囲が広がり初めて人とも接しました。大人への1歩を踏み出したのです。そして、傷つくような体験もしました。でも、結果的にザブーはピュアなままでした。人を恨まず旅で知恵と経験、幸せを手にしました。
これがどれ程に難しいことか、大人の皆さんになら分かる事だと思います。
傷ついても、裏切られても、人を恨まず経験として受け入れる。特に人を恨まない許すことはとても難しいことです。でも、自分の為に何よりも必要なことです。ザブーの様に一見マイナスとなる経験から知恵を身につけましょう。
その先にこそ本当の幸せが待っていると思います。
以上私がおすすめする大人へのメッセージを感じる角野栄子の児童書・絵本のご紹介でした😳
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